【トヨタ レクサスRX】客観的データに基づく総合評価

レクサスRXはこんなユーザーにおすすめ

  • 【駐車場や狭い道での操作に不安があるユーザー】:日本のJNCAPテストにおいて、ペダル踏み間違い時の加速抑制装置が満点の評価を獲得しています。前進・後退時の両方で、障害物や歩行者に対するブレーキ制御が正確に作動するため、日常の駐車や切り返しを頻繁に行う方に最適です。
  • 【夜間の運転や自転車の飛び出しが多い市街地を走るユーザー】:日本のJNCAPにおいて、街灯のない暗い夜道での歩行者検知テストや、交差点等での自転車に対する衝突回避システムが極めて高く評価されています。送迎や通勤でヒヤリとする場面が多い方へのサポートとして有用です。
  • 【小さな子どもを乗せて長距離ドライブをするユーザー】:オーストラリアのANCAPテストにおいて、「車内の子供置き去り検知機能(Child presence alert)」が標準装備されていることが確認されています。また、欧州基準(Euro NCAP)および豪州基準(ANCAP)のテストでも、6歳および10歳児のダミー人形を用いた衝突テストで高い安全スコア(87%〜89%)を獲得しています。

各国の厳しいテストからわかるレクサスRXの「強み」

トヨタ レクサスRXは、日本(JNCAP)、欧州(Euro NCAP)、オーストラリア(ANCAP)の各機関の総合評価で最高評価の5つ星を獲得しており、極めて高い基本安全性能を持つSUVです。

特に優れた強みとして、高度な予防安全技術(ADAS)の充実が挙げられます。日本のJNCAPテストでは、時速60kmという高い速度域からの自動ブレーキテストや、街灯のない暗闇での歩行者検知テストにおいて、高い速度低減率と衝突回避能力が証明されました。さらに、近年事故が増加している「自転車の飛び出し」に対しても、欧州や日本の厳しいテスト基準下において、交差点等の複雑な状況で高い衝突回避性能を発揮しています。また、アメリカのIIHSテストにおいても、歩行者に対する前面衝突予防(昼間・夜間)で最高評価の「Superior」を獲得しています。

また、駐車場などで起こりやすい「ペダル踏み間違い事故」を防ぐ機能についても、JNCAPのテストで前進・後退の両方において満点(2.0/2.0点)の評価を得ており、ドライバーの操作ミスに対する確実なフェイルセーフ機能が備わっています。

万が一の重篤な事故の際に自動で緊急通報を行うシステム(先進型)も最高評価を受けており、オーストラリア(ANCAP)で評価されている「車内の子供置き去り検知(Child presence alert)」などの乗員見守り機能とあわせ、事故前の予防から事故後の対応まで強固な安全網が実証されています。

自動車安全性能2023試験映像:レクサス RX

出典:ナスバ((独)自動車事故対策機構)

購入前に知っておくべきレクサスRXの「注意点と弱点」

数多くのテストで高評価を得ている一方で、各国の詳細なデータを読み解くと、購入者が事前に理解しておくべき明確な弱点や注意点も存在します。

最も注意すべき点は、アメリカのIIHS(道路安全保険協会)が実施した最新の前面衝突テスト(中程度の重なりでの衝突:Moderate overlap updated test)における後部座席の乗員保護性能です。このテストにおいて、後席乗員に対する総合評価は最も低い「Poor(不可)」となっています。データによれば、衝突の強い衝撃によってシートベルトの肩ベルトがダミー人形の首の方向へ上がりすぎたほか、腰部のラップベルトも理想的な骨盤の位置から腹部へと大きくずれてしまったことが報告されています。これにより、後部座席に乗っている人の胸部や腹部への負傷リスクが高まることが客観的な事実として指摘されています。

さらに、欧州(Euro NCAP)とオーストラリア(ANCAP)の前面オフセット衝突テストにおいても、運転席の「胸部」への保護が「Marginal(ボーダーライン/やや劣る)」という評価に留まっています。Euro NCAPの前面フルラップ衝突テストでも、後席乗員の胸部へのダメージが同様に「Marginal」と判定されています。

また、側面衝突時に運転手と助手席の乗員がぶつかり合うのを防ぐ「センターエアバッグ」は標準装備されていますが、欧州と豪州のテスト機関からは「あらゆる状況で左右対称に作動するかの証明が不十分である」として一部減点措置を受けています。なお、欧州のテスト資料では、自転車が車の横を通り抜ける際にドアを開けてしまう事故を防ぐ機能(Cyclist dooring prevention)は未装備(Not available)とされています。

【ボディタイプに関する注意事項】
日本のJNCAPでは国内向けの右ハンドル仕様(RX500h)でテストされていますが、欧州(Euro NCAP)では左ハンドルのPHEV仕様、米国(IIHS)のテストでは左ハンドルのガソリン4WD仕様 が使用されています。ボディ構造の基本設計は世界で共有されていますが、搭載エンジンの重量差やハンドルの位置によって、特定の衝突におけるダミー人形への衝撃の伝わり方がわずかに異なる可能性がある点には留意が必要です。

編集長の視点:レクサス RX

同クラスのプレミアムSUV、ボルボ・XC90やBMW・X5と並べてみると、レクサスRXの安全性能には輪郭のはっきりした個性が見えてくる。ひとことで言えば「事故を未然に防ぐ力ではクラス最高峰、しかし最新の衝突安全基準への対応にはまだ伸びしろがある」という姿だ。XC90がキャビン全体の生存空間をがっちり守る方向で評価を積み上げ、X5がボディ骨格と拘束デバイスの統合制御で安定した高評価を得ているのに対し、RXは高精度なセンサーフュージョンを武器に「そもそも事故を起こさせない」技術介入において、ライバルたちを一歩も二歩も上回るスコアを叩き出している。

この結果は、ベースとなる「GA-Kプラットフォーム」の特性と、最新世代の予防安全技術に込められた設計思想を追っていくと、かなり腑に落ちる。歩行者検知や交差点での衝突回避でRXが極めて高い評価を獲得した背景には、カメラとレーダーの認識性能が大きく進化したことに加え、SUVらしいノーズの厚みを生かしたフロントエンドの衝撃吸収構造が効いている。つまり、車両周辺の死角を電子デバイスでとことん潰し、万が一接触してしまった場合でも交通弱者への加害性を極力抑える——都市部での「実践的な安全性」を何より優先するメーカーの姿勢が、そのままデータとして表れているわけだ。

一方で、IIHSの最新テストが示す後席乗員保護の弱点(胸部・腹部への負傷リスク)は、シートや乗員拘束装置のチューニングが、急速に厳格化するテスト基準(後席へのダミー人形追加など)に完全には追いついていないことの表れと見てよさそうだ。衝突時にシートベルトがずれて腹部を圧迫する、いわゆる「サブマリン現象」が起きたという事実は、SUV特有のアップライトな着座位置に対して、後席のプリテンショナー(ベルトの引き込み機構)やフォースリミッター(過大な荷重を逃がす機構)、さらにシートクッションの沈み込み制御との連携が、まだ最適解に届いていない可能性を表している。運転席の胸部保護が「Marginal」評価だったことも含めて考えると、キャビン骨格そのものの剛性は確保されているものの、衝突エネルギーを乗員に局所的に伝えないための二次的な拘束メカニズムを、いかに精緻に仕立て直すかが今後の課題として残る。

総じて見れば、レクサスRXの安全性能は、日々のニアミスやペダルの踏み間違いといったヒューマンエラーをシステムが補ってくれる領域において、世界でも最高峰の水準にある。データが物語っているのは、いざという極限の衝突耐性——とくに後席——にいくつかの課題を残しつつも、事故そのものを未然に防ぐことへ開発リソースを大きく振り向けた、きわめて合理的な設計方針だ。後席の乗員保護という改善すべき点がはっきり存在するのは事実だが、日常の運転における事故リスクをどれだけ総合的に下げてくれるかという観点で見れば、このモデルが極めて信頼性の高いSUVであることに疑いの余地はない。

トヨタ レクサスRXの主要5大NCAP テスト結果データ

日本基準(NASVA / JNCAP)

総合評価★★★★★ 93% (184.52 / 197点)
衝突安全性能Aランク 87%  (87.70点 / 100点)
予防安全性能Aランク 99%  (88.82点 / 89点)
テスト実施年度2023年度

🔗JNCAP公式評価ページ(詳細データ)はこちら

欧州基準(Euro NCAP)

総合評価★★★★★
成人乗員保護90%
小児乗員保護87%
歩行者保護89%
安全補助装置91%
テスト実施年度2022年

🔗Euro NCAP公式評価ページ(詳細ページ)はこちら

米国基準(IIHS / NHTSA)

機関名IIHS
総合評価Top Safety Pick+
スモールオーバーラップ(運転席)Good
スモールオーバーラップ(運転席)Good
側面衝突Good
テスト実施年度2023年

🔗IIHS公式評価ページ(詳細ページ)はこちら

オーストラリア基準(ANCAP)

総合評価★★★★★
成人乗員保護90%
小児乗員保護89%
テスト実施年度2022年

🔗ANCAP公式評価ページ(詳細ページ)はこちら

東南アジア基準(ASEAN NCAP)

未実施(テスト待ち)

※注:評価データおよび考察はNCAP試験当時のものです。安全装備の性能は随時アップデートされるため、最新情報は必ずメーカー公式サイトにてご確認ください。

メーカー公式ページ

https://lexus.jp/models/rx